「秋本治の仕事術」感想。「こち亀」のエピソードや人気漫画家の時間術が満載の一冊!

長寿漫画として有名だった「こち亀」。

その作者である「秋本治」さんの書いた仕事術の本を読みました。

昔大好きで、漫画もアニメも毎週見ていた作品がどう創られてきたのか、楽しんで読めました。

週刊連載の漫画家さんは体を壊すくらいに徹夜やハードワークをするイメージしませんか?

著者の秋本さんは全くそんなことはなく、つねに計画的に前倒しで仕事をしていたそうで意外な裏側を知れて面白かったです。

また仕事を早く終わらせて自分が本当にやりたいことをやる姿勢など見習いたい部分もたくさんある良本でしたよ。

こち亀とは?

週刊少年ジャンプで1976年から2016年まで連載された長寿漫画作品。

ハチャメチャな警察官、「両津勘吉」こと「両さん」が巻き起こす騒動を描いたギャグマンガ。

日常ギャグとしても面白いんですが、各話の当時の流行や、東京の下町を掘り下げたお話など、カバーしている内容も幅広く楽しめる作品です。

多くいるであろう連載当時に週刊少年ジャンプを読んでいた人たちには説明不要ですね。

参考 こち亀 公式サイトこち亀.com

徹底した時間管理

こち亀の主人公の「両さん」は欲望のまま自己管理が出来なくて破産なんてオチの話がよくありましたが、作者の秋本治さんは全くの正反対。

ものすごく几帳面で、特に時間管理は徹底してされているそうです。

漫画家の方は、クセの強いというイメージがありましたがまるでビジネスマンが書いたような印象の本でした。

つねに原稿の仕事は前倒しで仕上げ、アシスタントさんの勤務時間もキッチリ時間管理して定時で終わらせる勤務形態をつくっていたそうです。

こんなキッチリした方が、「両さん」を描いていたのがなんとも意外な印象でした。

仕事を前倒しして自分がやりたいことをやる

また秋本さんは自分が本当に描きたい作品をもっと描くために、「こち亀」を早く仕上げていたという側面もあるそうです。

描きたい作品のアイディアが色々あって、その時間を捻出するために週刊連載である「こち亀」の原稿をつねに前倒しで仕上げていたとのこと。

本当に漫画を描くのが好きなんだなというのが伝わってくる内容でした。

「こち亀」本編を読むとわかりますが、流行に敏感で作風も柔軟に変化させてこられています。

好奇心やアイディアに溢れて、アンテナをつねに張っているんだろうなと思わされますね。

連載中にも「ミスタークリス」など別の作品を不定期で描かれていました。

こち亀秘話も見所

また「こち亀」でたまに掲載されていた、昔の東京の下町を描いたお話。

両さんの少年時代と下町の名物スポットを絡めて描かれたお話が多かったんですが、それらが作られた背景なんかも語られていて、「こち亀」読者には興味深く嬉しい内容でしたよ。

まとめ:「こち亀」制作ストーリーとしても作家のドキュメンタリーとしても面白い!

昔よく読んでいた「こち亀」がどう創られてきたのかが、よく分かって楽しめる一冊でした。

こち亀の両さんと作者の秋本さんの正反対ぶりも意外で面白かったですね。

またこち亀以外の作品への秋本さんの創作意欲が語られていて、秋本さんの他作品も読んでみたくなりました。

特にこち亀終了後に、集中して描かれた作品たちがどんな内容かこれから読んでみたくなりますよ。

アニメでも漫画でも「こち亀」が好きだった人にはぜひオススメしたい一冊です。

また、漫画家の方の仕事術的な本が好きな人には、ジョジョの荒木さんの本や手塚治さんの本もオススメですよ。

秋本治さんの各作品

こち亀関連書籍や、秋本治さんの他の作品もまとめてみました。

こち亀(通常コミックス)

コミックスは200巻まで。40年間の連載だけあって分量がすごいです。

当然ながら初期と連載終了時は作風も時代も違いますから、その違いもまた面白さの一つですね。

こち亀セレクション版

本編は200巻とボリュームがすごいです。

なので、これから読んでみたい方やいくつか買ってみたい人には総集編的なコミックスがオススメ

CDでいうところのベストアルバム版ですね。

僕は文庫本のコミックを集めて読んでいました。

その他にも年ごとのベスト版などもありますよ。

こち亀ムック版など

こち亀を絡めて、下町や時代を知るための本もありますよ。

その他の秋本治作品

こち亀の他の作品として「ミスタークリス」、「ファインダー」、「いいゆだね!」「ブラックティガー」があります。

「ファインダー」以外は読んでみましたが、安定の面白さ。

下町が舞台ということもあって「いいゆだね!」が一番こち亀っぽさがあって、懐かしさがありますね。SNSやVRなど流行をしっかりお話に盛り込んでくるのもこち亀っぽさがありますね。

ミスタークリス」は女性の体に脳移植された男性スパイのお話。麗子の中に両さんが入ってスパイ組織で大暴れしているかのような作品でコメディータッチのスパイアクション。

ブラックティガー」はかなりシリアス目なガンマンアクション。秋本作品の中ではかなり異色な感じ。絵の雰囲気も「こち亀」と少し違って、秋本作品の幅広さを楽しめますよ。銃などのマニアックな解説や掘り下げは「こち亀」感がやっぱりありますね。

公式サイトの「こち亀.com」でも各作品の紹介や秋本治さんのインタビューなど楽しめるコンテンツがいろいろありますよ。

参考 こち亀 公式サイトこち亀.com

どの作品も「こち亀」が好きだった人には懐かしさを感じてもらえると思いますよ。

コミックスのこち亀を読んだことがない方もぜひ読んでみて欲しいですね。