東野圭吾「パラレルワールド・ラブストーリー」を読んだ感想。後半から面白さが加速する【映画原作本】

東野圭吾さんの小説「パラレルワールド・ラブストーリー」を読みました。

2019年5月に映画化もされる本作。映画化の予告で本作の存在を知り、パラレルワールドを行き来するミステリーという設定の面白さに惹かれて読みました。


東野圭吾さんは「新参者」「マスカレード・ホテル」「探偵ガリレオシリーズ」などで有名な大物作家。一度は何らかの作品を原作や映像作品として見たことがある人も多いはず。

「パラレルワールド・ラブストーリー」のあらすじ

あらすじです。

親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ敦賀崇史。ところがある日の朝、目を覚ますと、彼女は自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史。どちらが現実なのか? ――存在する二つの「世界」と、消えない二つの「記憶」。交わることのない世界の中で、恋と友情は翻弄されていく。

Amazonより引用

主人公が好きになった女性と「恋人になっている世界」、「親友の恋人として出会う世界」の2つの世界を行き来しながら物語は進んで行きます。

物語が進むに連れ、少しずつ謎が明らかになっていくというストーリー。

通常のミステリーと違い、違う世界をまたがるのでSF的な世界観を感じるお話でもあります。

「パラレルワールド・ラブストーリー」の見どころ

見どころは、わずかに違う2つの世界という設定の面白さにつきますね。

2つの世界が繋がり出してからが面白い!

「なぜ自分は2つの世界を行き来するのか?」「好きな女性は恋人なのか?それとも親友の恋人なのか?」という謎を解くため主人公が手がかりをもとに真実に迫っていきます。

事件の犯人を突き止めることが明確な通常のミステリーと違って、どんな結末に進むのか見えない面白さがありました。

また後半になって2つの世界の謎が繋がり出してからは、読む手が一気に進む面白さでした。

1995年に書かれながら、2019年に読んでも描写に古さや違和感を感じさせないのもさすが!

「パラレルワールド・ラブストーリー」のイマイチなところ

読んでてイマイチな部分もあげますね。

ストーリーがノってくるまで長く感じた

通常のミステリーと違い、通常の世界とパラレルワールドの2つの舞台があります。

2つの世界を行ったり来たりして、戸惑う主人公というパートがストーリー全体に対して長く感じました。

このあたりは小説なので文字だけであることと、舞台となる世界が2つあることという要素があるので仕方ないかもしれませんね。

ストーリーの世界に入るスピードや展開のスムーズさは映画版の方が楽しめそうなので、映画版に期待です。

まとめ:物語の核心からは面白い。でも個人的には普通のミステリーの方が好き

物語が2つの世界が存在するので、世界の描写が2つ分あるため前半は少し物語のテンポが遅く感じましたが、後半からは面白かったです。

最初に読んだ時は2つの世界そのものがよく分からない状態で読んでいるので、2周目読むと「ああそういうことか」と納得しながら違った目で読むのも面白そうです。

異世界ではなく、わずかに違う2つの世界という設定も独特で面白かったですね。

ただ個人的には「ラブストーリー」部分でそこまで心に響かなかったなあと思っています。主人公やヒロインに共感できない部分があったので。これは読む人の恋愛や友情の考え方によって意見は分かれそうです。

とはいえ「パラレルワールド」という設定が面白いし、映像ではスピード感ある展開を楽しめそうなので映画版は観るつもりです。

では、また。