【映画原作本】百田尚樹「フォルトゥナの瞳」を読んだ感想。人の死が見えたらあなたはどうする?

百田尚樹さんの小説「フォルトゥナ の瞳」を読みました。

百田さんと言えば「海賊と呼ばれた男」や「永遠の0(ゼロ)」が有名です。自分の中でも感動させるヒューマンドラマのイメージの強い作家ですが今回はラブストーリー。

「フォルトゥナ の瞳」は超能力を身につけてしまった青年のファンタジーラブストーリーです。これまで読んだ百田作品とはまた違ったジャンルの作品ですが、百田作品の違う魅力を楽しめました。

「フォルトゥナ の瞳」のあらすじ

人の運命って最初から決まっていると思いますか?

「他人の死の運命」が視える力を手に入れた男は、愛する女性を守れるのか――。生死を賭けた衝撃のラストに涙する、愛と運命の物語。

幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり……。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。

「フォルトゥナの瞳」のみどころ

「人の死が見えたらあなたはどうする?」というところがすごく考えさせられました。

「死が見える」とは死ぬ運命にある人が透けて見えることで、その人が近いうちに死ぬことが分かるという能力。

かと言って能力バトルマンガのように能力を使って何かできるわけでもない。ただ自分が関わることで死の運命を変えられる可能性はあるという設定。例えば声をかけて事故現場へ行かせないようにするなど。

「見えた死に対してどう行動するのか」の選択肢の結果はストーリーの中でも複数あって、「自分だったらどうするか」を考えると共にだんだん主人公の慎一郎の葛藤に共感させられて物語に引き込まれました。

「死を視ることができる」という実際にはありえない能力ですが、「視えるだけ」という限定的な能力であることで主人公の葛藤や考えにリアリティを感じさせます。

ラブストーリーではあるんですが、能力を巡る主人公の葛藤や行動のウエイトが大きいので恋愛面はがっつりな恋愛小説よりも軽めな印象でしたね。

予告から見る映画版と小説の違い

小説だと舞台は関東ですが(川崎や横浜など)、映画版はオール関西ロケ。奈良の橿原や兵庫の甲子園周辺、神戸などが主なロケ地になっています。

デートシーンは神戸が多めな感じなので関西の人はより楽しめそうです。

またラストに繋がる場面も小説と映画版では少し表現が違う感じですね。

映画だと2時間という枠があるので、内容はよりコンパクトになると予想されますが、どうアレンジされるのか映画版にも期待です。

予告のイメージだとよりラブストーリー感が強くなりそうですね。

やっぱり安定の面白さの百田作品

百田尚樹さんの作品としては初めて読むジャンルでしたが、面白かったです。特に中盤以降、主人公の慎一郎が能力に対してどんな選択をしていくのか気になってあっと言う間に読み切りました。

「死を視る能力」を巡るストーリーの割合が大きいので、ガッツリな恋愛小説が苦手な人もわりと読みやすい作品になっていますよ。

同じ百田作品の「海賊と呼ばれた男」、「永遠の0(ゼロ)」もオススメです。この2作品は映画も個人的にすごくよかったです。

あとは整形モノのストーリーである「モンスター」もインパクトあって引き込まれます。